16.
秋田
Akita
つながる東北観光案内、16番目のバトンを繋ぎます。
私は中学・高校と秋田で過ごしました。今も父は秋田で働き、祖父母は作曲家・成田為三の出身地で知られる北秋田市・米内沢に住んでいます。(みつばちの猪股亮子さんが書いている「大いなる秋田」の作曲・成田為三)
とはいえ、なかなか秋田に帰ることはなく、私が知っている頃の秋田といまは随分と変わったのでたまに帰ると観光気分です。
最近では「のんびり」という秋田の魅力を発信している素晴らしくよく出来たフリーマガジンの存在によって、今まで知らなかった秋田を知ったりするなんてことも。秋田を離れてから秋田を再発見し始めています。由利本荘のみつばちさんにもいつか是非。
さて、そのような私ですが、久しぶりに秋田に帰ったときに感動したことがありました。
それはある冬の、雪が積もった日。部屋を暖めている石油ストーブのかすかな音だけが聞こえる静かな時間。外は音のない静寂した世界が広がっていて、ふと台所を見ると流し台に赤い林檎。まるで油彩で描いた静物画を思わせる、冬の光を浴びた林檎のある台所の景色が本当に美しくて心が震えました。どんよりとした光、学生の頃には気付かなかったその光がたまらなく美しかったのです。
観光とは光を観ることだ、と高橋亜弥子さんが言っていた言葉をふと思い出して、東北の、秋田の光について思い出して書いてみました。
小さな部屋で、雪によって絶たれた外との繋がりを想像している時間は、本当に贅沢で今でもふとしたときにその時間が恋しくなります。
秋田も最近ではカフェや居酒屋も色々と増えてきたようですが、ひとつ紹介するなら川反中央ビルは特別な存在だなと思います。秋田の拠り所でしょう。
丁度、3/23(日)まで川反中央ビル1Fのcoco laboratoryでは秋田にアトリエを構える陶芸家・田村一さん企画で、今をときめく陶芸作家5名のグループ展「辺境地展#2」が開催中。この企画、きっと突き抜けてます。
あとは祖父母の家を訪ねるときに利用する秋田内陸線もとってもオススメなんですが、いつかのMi amas TOHOKU旅の候補ということで、そろそろ佐藤菜穂子さん編の山形へ次のバトンを渡します。
工藤千愛子/美術関係のしごと
︎17. 山形 鶴岡 YAMAGATA Tsuruoka