02.
宮城 塩竈
Miyagi Shiogama
大切な人に、大切な場所をご案内したくなるのは、自然なこと。
2013年の夏、私は長い時間を浦戸諸島で過ごし、多くの物語に出会いました。
今では、私にとって浦戸諸島は、エリカさんたちに最もご案内したい場所なのです。
東松島市、松島町、利府町、塩竈市、七ヶ浜町の海辺の街は、松島湾に面した地域であり、
縄文時代から変わらぬ海の恵みを共有してきた仲間です。
(数千年も前からこの地域で生きる人々は、
新鮮な海苔や魚貝類を頬張り、生命をつないできました)
そんな松島湾に、有人島・浦戸諸島(桂島、野々島、寒風沢島、朴島)は浮かんでいます。
ビルドスペース近くの船着き場から市営汽船で、約20~60分。
かもめが汽船に並んで飛ぶ光景も愛らしいです。
島から海を眺めると、海流によってこの地域の人々は、周辺の島々や大陸とつながっていたんだろうなぁと想像させてくれます。
ここから日和りを見たんだろうなぁ・・・、
千石船で出かけた船乗りの帰りを待ち続けたんだろうなぁ・・・
(私の心の故郷である)バンクーバーにも、先人達が辿り着いていたんじゃないかなぁなんて、記憶を刺激する、どこか懐かしいVOQ 本多さんの音を響かせながら、想いを馳せるのも心地よいものです。
大正時代には、中国から白菜文化が入り、島民と採種場が協力し白菜の採種に成功。
浦戸諸島の島々が菜の花でいっぱいになったそうです。
白菜畑のある野々島で、エリカさんと宮沢賢治の白菜畑を想像するのも楽しみです。
民宿では、島民の誇りを感じながら、
島のおばあちゃんたちの白菜漬けを味わうことができます。
甘かったり、塩辛かったり。美味しいのです。
海辺の街では、多種多様な文化が形を変えながら土地に根付いていきました。
土地の物語を、汽船に乗って、ちょっとロマンを抱きながら、皆さんにお伝えしたいなぁ・・・と
潮風を浴びながら思うのです。
海を体感するなら夏、味わうなら冬。
この地域をより感じてもらいたいので、松島湾に浮かぶ浦戸諸島を、今度ご案内させてくださいね。
(c) Koichiro Sato
…birdo flugas 高田彩
Kurashio(クラシオ)
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ジョルジュ・ルースアートプロジェクト
ジョルジュ・ルースアートプロジェクトは、松島湾を見渡せる高台で親しまれてきたカフェ・ロワンを舞台に、仏アーティスト、ジョルジュ・ルースが、阪神淡路大震災のとき同様、解体予定の建物で絵を描き、写真を撮り、空間の記憶を残したプロジェクトです。
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