12.
岩手 陸前高田 
Iwate Rikuzentakata



Mi amas TOHOKUの皆さんとの出会いは昨年の6月。
海辺の町を訪ねに来た彼女たちに、私の家族が暮らす陸前高田を案内したことがきっかけでした。


海の恩恵を多く受けてきた岩手県陸前高田市は、美味しい海産物や
日本百景にも選ばれていた美しい高田松原がある海辺の静かな町でした。
それが、2100年3月11日、東日本大震災の大きな津波により、壊滅的な被害を受けました。

震災から丸3年たった陸前高田市は今、復興工事が本格化し始めています。

山のように積まれていた瓦礫はほぼ片付き、防潮堤や嵩上げ工事が本格化しています。
住民の高台移転のために山を削り、そこで出た土を効率的に旧市街地の嵩上げに利用するため、世界最大級のベルトコンベアも建設されています。
建設関係の方々が毎日忙しく力を尽くしてくださっていて、道路ではいつもトラックが行き交っています。


世界最大級のベルトコンベアの吊り橋。一本松、見えますか・・・?



市内のいたる所でトラックが行き交う。渋滞もしばしば。。


お店も徐々に増えてきました。
利用客の熱い声に応えて再開した飲食店
や、被災した海辺のホテルも高台に再建されました。
カフェもあります。りくカフェはおいしいコーヒーを飲みながら、市内外の方々との交流ができるコミュニティカフェ。
地元スタッフが最高の笑顔で迎えてくれます。今年はキッチンも備えた本設の建設を予定しているそうです。
どんなメニューが楽しめるか今から楽しみです。


陸前高田に来たらりくカフェへ。



高台のホテルから旧市街地を望む(2014年3月2日撮影)


すっかり様変わりしてしまったように見える陸前高田ですが、
震災前からずっと変わらない景色もあります。

それは夜空いっぱいに広がる満天の星空。
私が岩手に行く時の楽しみの1つがこの星空です。


絵本「まつぼっくりちゃん ありがとうをチカラに」より


手を伸ばせばつかめそうなほど、近くに見える星たち。
同じ岩手の詩人・宮沢賢治が星にまつわる作品を数多く残したのも頷ける美しさです。
実際、賢治が陸前高田にほど近い山々を散策した記録も残っているそうです。


岩手の星空に触発されて作ったiPhoneアプリ「星めぐりの夜」(2010)


そういえば、宮沢賢治はエスペラント語にも親しんでいたとか。
いつか、Mi amas TOHOKUの皆さんと、宮沢賢治の足跡をめぐる旅が出来たら素敵だろうなあと思っています。


次の執筆者は、お隣の大船渡市の新聞社で記者をされている鈴木英里さんです。
私の活動を取材をしていただいて以来、時々交流させてもらっています。
ご自身も被災されているのに、地元のためにと情熱的に動いていらっしゃる素敵な女性で、
Mi amas TOHOKUの皆さんがいらした時にも、飛んで来てくださったのを覚えています。
英里さんの撮るお花の写真と言葉からは、いつも元気を貰っています。

大内裕史 (WOW ビジュアルアートディレクター/ありがとう りくぜんたかたプロジェクト 主宰)


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