06.
宮城 仙台 
Miyagi 
Sendai



まだ、お目にかかったことがない青森の山端さんへ。

私たちは、みんなそれぞれの人生の途中で、2011年を経験して、
あれから3年、人も街も私も変化していきながら、
だれかと出会ったり離れたりして、日々を重ねていることを思います。
真っ直ぐであるように見えても、
ときに心は揺れつつ…。
見上げた八甲田の木々の緑は、きっと、いろんな気持ちを受け止めてくれているのでしょうね。

私も街のなかで、よく木を見ます。

仙台だったら、定禅寺通のけやきの並木や勾当台公園のヒマラヤ杉、
上杉1丁目の公園のブランコの横にも大きな木があったなぁ。

私は10年ほど前、仙台に住んでいました。
Mi amas TOHOKUの活動を一緒に行っているSHOE PRESsの本間景子さんと、
彼女のルームメイトの佐藤菜穂子さんは、そのときに知り合った友人です。

drawing: hisae maeda "miyagi, 2012"

2011年のあの日、見慣れた東北の街が大変な状況にあると知りながら、
なにもできず、遠く離れた東京でやるせない気持ちで過ごしていたころ、
本間さんから「東北の街が少しでも活性化するために、ものをつくりたい」と連絡がありました。
本間さんが主宰する編集プロダクションSHOE PRESsのイメージキャラクター「ボーダーこけし」を
モチーフにしたグッズのデザインをしてくれる方を探しているとのこと。
すぐに心に浮かんだkvinaのみなさんにお願いしたところ、
彼女たちならではの洗練されたセンスで
Mi amas TOHOKUというプロジェクトは生まれ、スタートしたのでした。


先日、久しぶりに仙台の街を歩いたところ、
「せんだいメディアテーク」の入り口近くに「対話の可能性」という
館長のメッセージが掲げられていました。
対話。ダイアローグ。
私はこれまで、どれほどの人と気持ちを交わし合うことができたのか。
また、これからどれだけそれができるのか。
自然な気持ちで。自分の言葉で。


そんなことを考えながら並木道を歩き続けて、
古本と珈琲の「book cafe 火星の庭」の前まで来ました。
懐かしくて入ってみると、驚いたことに、
10年前ここでずっと探していた本が棚に並んでいました。
長い間、探していたのに、見つけられなかった画集です。


今、見つからなくても、
なにかの拍子にストンと手許におちてくるようなことが、人生ではときどき起きます。

縁があれば探しものもいつか見つかる。
人との出会いもきっとまた然りです。

Mi amas TOHOKU 高橋亜弥子/編集者


© Kasane Nogawa

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