11.
岩手 三陸鉄道
Iwate Sanriku
ミトミさんは確か、鎌倉在住でしたね。
私も逗子と福島に故郷があるので、一方的に少し”仲間意識”を抱いております。笑
旅館清山は、2012年のFOR座REST大学で、初めて伺いました。
ワークショップを終えて駆け込んで観たアンサリーさんのステージ!
洋風の照明に金屏風と畳の魅惑の会場、あれは幻だった?と思うくらい異空間の素敵な時間でした。
飛行機が苦手な父の影響で小さい頃から、電車で移動する旅が大好きです。
去年、Mi amas TOHOKUメンバーで海辺の街を訪ねた時に、三陸鉄道南リアス線に初めて乗りました。
その時のことを書きます。
私たちが乗り込んだのは、6月の三陸鉄道南リアス線、恋し浜駅。
急な勾配のエメラルドグリーンの階段をのぼると、いきなり小さなホームがトンネルとトンネルの間にひょっこりと現れた。
ホームに上がると、湿った空気にすっぽり包み込まれたような静けさがあり、何とも心地がよい。
さっきまでワイワイと騒いでいた私たちも、その静けさ吸い込まれて音量が下がり、穏やかに電車を待った。
ホームからは、扇状に広がった土地。
ぽつりぽつりと家々が見え、その少し先に、霞みながらも穏やかな海が見えた。
シャッシャッシャッシャッ
トンネルの向こうから力強い電車の音が近づいて来る。
Drawing:Erika Kobayashi
ずっと薄曇りだったのに、電車に乗り込むと青空が広がり、車窓に太陽の光が射してきた。
トンネルと瑞々しい緑が同じくらいの割合で交互に過ぎていく。
とにかくトンネルが多い。
時々景色がひらけると、美しい海岸が見えて、その度に「わぁ。」と私たちは声を上げた。
Drawing:Erika Kobayashi
元気のよい車内販売のおばちゃんが熱心に写真やビデオやスケッチをとっている私たちに話しかけてきた。
「あなたたち、”てつこ”なの?」
底抜けに明るいおばちゃんが、隣の本物の”てっちゃん”を巻き込みながら、終着駅の盛駅まで終始笑いを起こしていた。
ゴトッゴトッ
ずっと高台を走っている。
短いトンネルを何度もくぐっては、光が溢れる外へ抜ける。
先頭車両には、運転士さんと同じく一番前の中央に窓に立つことができ、ずんずんと前に進む景色が見える。
私たちが乗り込む前から、小さな女の子がずっとそこに立っていた。
トンネルの中はまっ暗闇。
前方に小さな光が現れて、それが次第に大きくなってゆき、窓にかじりついて立っている女の子をその光がわぁっと包んだ。
ビデオには上手く映ったかはわからないけど、私には、はっとさせられる綺麗なシーンでした。
それは、心躍る光景。
盛駅では、「まつぼっくりちゃん」グッズを駅のお土産コーナーに置きに来た、陸前高田と東京を行き来している大内さん(次回の執筆者です)と偶然にも遭遇。再会を果たしました。
震災以後、分断されていた三陸鉄道の北リアス線と南リアス線ですが、ついに今年の4月につながるそうです。
つながる、いい言葉ですね。
Mi amas TOHOKU 西村亜希子/映像ディレクター
三陸鉄道
三陸鉄道は、岩手県の盛駅と釜石駅を結ぶ南リアス線と、
久慈駅と宮古駅を結ぶ北リアス線でなる、海沿いの鉄道路線。
2011年3月11日の震災で全線が不通となったが、被害が少なかった北リアス線の一部路線から少しずつ運行を再開。
南リアス線は、2013年4月に盛-吉浜駅間が復旧し、運行を再開した。
2014年4月5日には南リアス線の吉浜駅ー釜石駅間が、
4月6日には北リアス線の田野畑駅-小本駅間が開通し、全線復旧する。
︎12. 岩手 陸前高田 Iwate Rikuzentakata